MIRACLE 中村紀洋 少年愛小説


友孝に向かって、バカだと連発しているのは自分のクセに!と言い返すつもりだった。あまり笑わない唇が、こんなにも饒舌《じょうぜつ》なキスをするなんて。

「森、俺と一緒に生きてみないか?」。

何か、怒らせるようなことをしただろうか?やっぱりなんにも触ってあげてないのに、俺だけがイクなんて言うから、不快になったんだろうか。「でかい目で、じっと見てんじゃねーよ。やりづれぇな」。強引な手管に反発してか、きつく閉ざされたままの頑なな唇と、咎めの色を浮かべた茶色の瞳に、思わず口元が笑み歪んでしまう。仁王立ちしたレオンは、無言のまま同じ体勢で篤を見据えている。俺は手のひらでほおをぬぐう。なんてもったいないことをしたんだ。流れに乗じて初H』などと息巻いていたくせに、やはりいざとなると尻込みしてしまう神野柾宗、十五歳(童貞)であった。

「わかっている。……お前の『気』は、甘いな。味見だけで……俺を高ぶらせる」。第三者の手により与えられる愛撫の感覚は、それが的確に直の弱い箇所を責めてくるだけに逆らいがたく、自然と腰が揺れ出してしまうのをとめられない。だが、今は真っ昼間で、人間である僕の目にも、何もかもはっきり見えてしまうのだ。撫でたりこすったりして、ようやく中指が入った。「――ちょっと待って……もらえないよ、こんなに高いもの」。「えっ、えへへへっ」。

もしかしなくても、気遣ってもらってんのかな、俺。愛瀬の顔から表情が消え、零一郎から逃れようと身体をよじる。司野の唇は氷のように冷たいから、僕の唇は少し|痺《しび》れてしまっていた。「俺さ、ずっと、桜井さんのこと、考えてた」。


ボーイズラブ小説作品紹介


おいしい時給とアパートから近いという理由で選んだファミレスのアルバイト。大学生の圭吾は、店長で色男の小泉の猛アタックに根負けして予定外の深夜勤務を引き受けることに。歓迎会の席で、圭吾は深夜シフトの佐々木から同じく深夜組の菅野と早瀬がある人をめぐった恋のライバルだと聞かされる。しかもその抗争に自分も巻き込まれると警告されて……!?

タイトル:深夜のファミレスは恋のるつぼです
著 者 名:藍川真冬
レーベル:七日間シリーズ
発 行 元:キリック

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