青いイナズマ あおい輝彦 BLコミック


「な?!」。安く買えたといっても、俺のプレゼントの倍以上はするんじゃないだろうか。「んっ……」。甘い…のは、酒の味なのか宏晃の口づけなのか。「愛瀬を抱きたい」。屹立を弄る手と、身体の奥を探る指。「それはおまえが浮気するからだろ?」。

「十時十五分か。まあまあかな」。「七星……」。それでも一応、恋人になって、最初のキスよりもっとスゴイコトをいっぱいしたのに、一番強烈に憶えているのはあの時の唇で……思い出すたび、心臓が鼓動を速める。かといって、猛烈に不機嫌になるというわけでもなく、単に寝惚けているに過ぎない。「逃げるな」。何をするつもりだと睨みながら訴えたけれど、不思議に触れられた男の腕にも唇にもまったく嫌悪はわかなかった。

龍之介が好きだと言いかけた途中で強引に腕を掴まれて引き寄せられ、息もとまるくらい強く広い胸元に抱きすくめられた。なんとかしてその手をはねのけようと、海は片手ではとてもつかみきれない固い手首に手をかけて懸命に身をよじる。そう言って、彼は僕の目の前に、冷凍コーンの袋をぶら下げてみせた。「馬鹿、お前に似た子供だったらどうすんだよ。ワガママ全開の可愛くねえガキに育って、俺の苦労が倍増するに決まってるじゃねえか。……それに、子供なんか要らねえよ。俺、お前でもう手いっぱい腹いっぱいのいっぱいいっぱい状態なんだから」。

痛さは思ったほどではなかったが、打たれたところが熱いし、何より猛烈に恥ずかしい。温かなお湯がザッとでて、ガラスがあっという間に曇った。おまけにそんな感想まで洩らされて、荒々しさもなくただ気持ちよかった唇や舌をかなり濃厚に舐めまわしたことを思い出すと、エッチという表現が身に染みてカーッと頬が紅潮した。なぐさめるように、背中に添えられた手が暖かい。「でも、図書館でしか幸太郎さんと会えないんだよ。どこで触ればいいわけ?」。遠のきかけた意識が、あっという間に戻ってくる。

「あ、あの、その……ありがと」。どうやら、停学の件を聞きつけたらしい。

「なら仕方ないな。ちびすけと呼ぼう」。


ボーイズラブ小説作品紹介


テーブルに置かれた花束が甘い香りを放ち、部屋は少しずつ芳香に満たされていく。雨の音を聞きながら、トオルが口を開くのをじっと待っていた飯島は、聞き逃してしまいそうなほど小さな声を耳にし、思わず顔を向けた。「僕のこと好きだっていうのはホント?」。「ほんとうのことだよ……」。――エリート社長秘書が、デザイナーの卵に一目惚れ。難題山積の恋の行方は?

タイトル:終わらない週末
著 者 名:有馬さつき
レーベル:B−cube
発 行 元:講談社

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