アンダルシアに憧れて 大倉忠義 ボーイズラブ文庫
深く考える前に、俺はせがむように口にしていた。濡《ぬ》れている。なんてせつないキスだろう。その部分には触れようとせず、楢崎はじらすように周りにキスをした。とにかく、この場から逃げ出したかった。篤臣は、相変わらずそっぽを向いたまま、しかし抵抗するのをやめて、ボソリと言った。「…嶋田ぁ!?」。
航洋は視線を上げ、ジェレミーの面長の顔を見た。「だから、変なことを言うな」。
「違、う……」。「も…っ、だめ……離し―」。満足そうな声で言い放ったレオンは、篤の屹立の根元に絡めていた指を解き、挿入していた指を少しばかり乱暴に抽挿した。あれはもしかしなくても、キス……。「急患やったんや。……虫垂破裂で、そのまま緊急オペになってな。子供やし、様子見といたらんと可(か)哀(わい)相(そう)やろ。……せやしこんなに遅うなった」。手は空を切ってじたばたと上下に動くだけで、肝心の連に触れることさえままならない。
「今度、俺にも紹介してよ」。たとえどんなに香りを変えても、俺にはわかる。酒を飲んでも顔色が変わらないので、どれくらい酔っているのか見当がつかない……。こんなふうにきちんとイベントをするのは、初めてだった。
どうして自分は、口を開くことすらできないんだろう。「は?」。
痛いところを直接癒されているわけではないのに、それは確実に海の苦痛を軽減していった。
ボーイズラブ小説作品紹介
15年振りにスイスから帰国し、日本に馴染めずにいた高宮は、ある日、珈琲の薫りに誘われて一軒のカフェへと辿り着く。そこで出会った優雅で美しいギャルソン・楽に次第に惹かれていき――。※イラストは含まれていません。
タイトル:カフェラテの純愛
著 者 名:剛しいら
レーベル:B−cube
発 行 元:フロンティアワークス
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